警察庁、違法オンラインカジノの実態を初公開。国内での利用者は約337万人、年間賭け金総額1兆2,400億円

警察庁は13日、違法オンラインカジノに関する実態調査の結果を初めて公表しました。調査によると、国内でのオンラインカジノ利用者は約337万人にのぼり、年間賭け金総額は1兆2,400億円に達すると推計されています。この結果から、依存症や借金などの深刻な問題も浮き彫りになり、警察庁はこの状況に対して強い懸念を表明しています。

オンラインカジノ利用者の実態と市場規模

警察庁が実施したオンラインカジノに関する調査は、昨年7月から今年1月にかけて、全国の15歳から79歳の約2万7千人を対象に行われました。調査の結果、オンラインカジノを利用した経験がある人は約337万人にのぼり、その賭け金総額は年間で1兆2,400億円に達すると推計されています。これは、国内での競輪や地方競馬などの公営競技の賭け金総額を大きく上回る規模であり、違法市場の拡大が深刻な問題となっていることを示しています。

調査の中で、オンラインカジノの利用者の約75.2%が有料版に進んでおり賭け金額の平均は年間約63万円でした。このことから、利用者一人あたりの賭け金が非常に高額であることがわかります。さらに、調査結果に基づいて推計された年間の市場規模は、1兆2,423億円にのぼり、これはオンラインカジノが国内で非常に広範に利用されていることを物語っています。

調査対象者の中で、オンラインカジノの利用経験者は全体の3.5%にあたりますが、そのうち現在も利用している人は約2%であり、依存症の問題が深刻化していることがうかがえます。オンラインカジノは、手軽にスマートフォンやパソコンを使ってアクセスできるため、依存症を引き起こすリスクが高いとされています。こうした背景から、警察庁はオンラインカジノの利用拡大に対して強い警鐘を鳴らしています。

オンラインカジノによる依存症と借金の問題

オンラインカジノの利用者の中で、ギャンブル依存症に自覚がある人は約60%に達しています。特に、20代から30代の若年層ではその割合が高く、依存症に苦しんでいる人々が多いことが明らかになりました。依存症の問題は、単なる個人の問題にとどまらず、家族や周囲の人々にも大きな影響を及ぼしています。

調査によると、オンラインカジノを利用した経験者のうち約46%が、消費者金融や家族、友人などから借金をしたことがあると回答しています。ギャンブル依存症が進行すると、借金が膨らみ、生活に深刻な影響を及ぼすことがあります。借金が重なると、返済に追われるあまり、さらなるギャンブルに手を出してしまう悪循環に陥ることが多いです。このような依存症と借金の問題は、個人だけでなく、社会全体にとっても深刻な課題となっています。

オンラインカジノは、特に若年層を中心に魅力的に感じられる要素が多く、依存症に陥るリスクを高めています。匿名性が高く、スマートフォンやパソコンを通じて簡単にアクセスできるため、依存症が進行する速度が速くなることが懸念されています。警察庁は、こうした問題に対応するために、より積極的にオンラインカジノに関連する取り締まりを強化し、依存症の予防や治療への支援を強化する必要があるとしています。

オンラインカジノの違法性と国際的な取り組み

オンラインカジノは、賭博ビジネスが合法な国で運営されていますが、国内からアクセスして賭けを行うことは違法です。日本国内では、刑法に基づいて賭博罪が適用され、海外の合法的なカジノサイトでも、日本から接続して賭けをする行為は賭博罪に該当します。しかし、調査結果によれば、経験者の約43.5%がオンラインカジノの違法性を認識していなかったことが分かりました。この認識の欠如が、さらに違法賭博が広がる原因となっています。

警察庁は、オンラインカジノに関連する違法行為が蔓延している現状に対して「極めて深刻な状況だ」と述べています。この問題に対して、警察庁は国内での取り締まりを強化するとともに、国際的な協力を進める必要があると指摘しています。オンラインカジノの多くは、カリブ海にあるキュラソーなどのタックスヘイブン(租税回避地)を拠点にしており、国際的な規制の枠組みを整えることが重要です。

また、警察庁は、オンラインカジノを提供する業者に対して、日本からのアクセスを遮断する「ブロッキング」などの技術的な対策を導入することを急ぐべきだとしています。これにより、国内から違法サイトにアクセスすることができなくなり、利用者を減らすことが期待されます。

広告塔として活躍する有名人への警告と対策強化

オンラインカジノを宣伝するために、SNSなどで広告を行う「アフィリエイター」や、著名人が広告塔として登場するケースが増えています。調査結果によると、オンラインカジノに誘引されるきっかけとして、広告塔となった有名人の影響を受けた人が23%に達しており、こうした広告が利用者を増やす一因となっています。

警察庁は、こうした有名人がオンラインカジノの宣伝に関与することが、賭博の幇助(ほうじょ)にあたる可能性があるとして、注意喚起を行っています。SNSでの宣伝活動が拡大する中で、広告塔として活動する有名人に対して、勧誘行為を自粛するよう求める方針を強化しています。さらに、警察は、こうした広告が若年層に与える影響を重視し、依存症の予防に向けた啓発活動を行うとしています。

上記を踏まえて

警察庁の調査結果から、オンラインカジノの利用者数と賭け金額の規模が非常に大きいことが明らかになり、依存症や借金の問題が深刻化していることが浮き彫りとなりました。オンラインカジノの違法性についての認識不足や、依存症に苦しむ人々の増加が社会的な問題となっており、警察庁は国際的な協力や取り締まりの強化を求めています。